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「推し」に出会ってしまいました!

 さかのぼること3週間ほど前、3月2日の朝。

大学時代からの仲良し友人と高速バスで会津若松に向かっていました。

 

二人ともちょっとドキドキソワソワのバス車内。

なぜならこれから二人して初体験なのです…♪ 

 

お目当てはそう、これです ↓↓↓

 

『 センダイガールズプロレスリング in 会津若松』!!

 

今日は長くなりそうなので、初めに主旨を書きますね。

私、51歳の誕生日を目前にして、生まれて初めて「推し」に出会ってしまいました。

そう、女子プロレスです!

こんな気持ちになるのは本当に初めてと言っていいほどの衝撃…。あの日以来、寝ても覚めても女子プロレスのことが頭から離れません。

 

ハムソーとはまたまた何の関係もありませんが、私のこの熱い気持ちを言葉にさせてください!

 

それにしてもプロレスの話なんて唐突ですよね。

私のプロレス歴といえば、子どもの頃にテレビで流れていたのを見ていたくらいで、ちょっとした技の名前や有名レスラーの名前くらいは知っている、という程度です。

 

センダイガールズプロレスリング(以下「仙女」)は、名前を聞いたことがあるくらいでした。

 

でも、タイミングって面白い。私がランニングをするきっかけになった友人が夫婦揃ってプロレスファン。時折プロレスの魅力については聞いてはいましたが、自分事にはなりませんでした。

 

今年に入ってからのこと、またプロレスの話になり、「里村明衣子さん(仙女の創設者)が4月で引退しちゃうから、絶対に見ておいた方がいいよ。絶対あなたが大好きなタイプの人だから」と勧められました。

 

ちょうどその頃、私は「何事も "次" はないぞ」というメンタリティになっていました。

 

昨年初フルを走った大会「東北みやぎ復興マラソン」、

(参照⇒『Run for Revive! 皆さん、走りましょう!!』)

今年も走る気満々だったこのレース、主催者側から大会継続断念が発表されたタイミングでした。正直ショックでした。当然あるものだ、なんて思っていたらそれは間違いなのです。

  

そんな私の目の前に突如現れたプロレス観戦というイベント。楽しいのかな…、怖くないのかな…、見たことを後悔しないかな…、暗中模索な気分でしたが何か突き動かされるものがあるんです。

 

この誘いが心に響いてしまった理由の一つに、友人が以前に言っていた一言があります:

「プロレスには、すべてがあるんだよね」

  

なんでしょうね、その「すべて」って。

急にそれを自分の目で見てみたくなったんです。

 だから、やりたいことが見つかったら実行あるのみ!

 (参照⇒『Don't be a "forever wannabe"』)

  

店の定休日に日帰りで行ける試合を探したら会津若松しかありませんでした。運よく仙台に住む別の友人が興味津々で一緒に来てくれることになりました。

店主には恐る恐る「仙女を観たいので会津若松まで日帰りで行かせてください」とお願いすると、反対しても無駄だと思ったのか、快く娘の子守を引き受け送り出してくれました。妻のなぞに熱い決意が通じたようです。

  

ということで、残雪がうず高く歩道をふさぐ早春の会津若松へ。まさかプロレスを観にここに来ることになるとは…。人生ってサプライズです。

 

てっきり体育館みたいなところでやるのかなと思っていましたが、なんと会場は結婚式場。 広めの披露宴会場のど真ん中にリングがあり、席はリングサイド2列目、めっちゃ近い!!

 

お作法が分からない異世界に放り込まれたような緊張感。常連ファンの方々の熱気と声援に私たちも興奮が高まってきます。司会者のアナウンスが始まり、約2時間、全5試合の戦いのゴングが鳴り響きました。 

 

ふぅ…。すごかったです…。

ほとんど何の前知識も持たずに初見で臨んだわけですが、始まってからすぐに選手たちの熱い戦いに惹き込まれてしまい、途中写真を撮るのを忘れてしまうほど食い入るように見入ってしまいました。

 

こんな時は本当に自分のボキャ貧を恨めしく思います。 

とにかく最上級のエンターテイメント性!観客を楽しく笑顔にさせるコミュニケーションがあり、時には笑いも起こります。会場が一体になるような音楽や照明の演出。選手一人ひとりの強烈な個性。ハラハラドキドキの展開。もうダメか…と思ってからの再起が繰り返されるドラマティックさ。フォールのスリーカウント後に打ち鳴らされたゴングの音で、自分の鼓動が最高潮に高鳴っていたことに気づかされるのです。(って書きながら相当ハマっている我に気がつきます…)

 

何より私が強く胸打たれたのは、選手が賭ける人生そのものを感じてしまったからです。

選手たちはみな、自分の体と精神を鍛え研ぎ澄ませてリングに立っていることが手に取るように感じられます。

 

そもそもプロレスラーになろうと思う時点で超越しています。あんな痛そうなことをして、苦痛に顔をゆがめながら、それでも何度も立ち上がる姿には感動しか覚えません。自分を痛めつけることが確実に条件のこの職業を選んだ女性たちの情熱と覚悟が伝わってくるたびに、自然と涙があふれている自分がいました。隣を見ると、友人も「やばいね…」と目頭を押さえています。

 

これはきっと畏怖の念。感動を必死に言語化しようとしても、実際には無理なのです。プロレスを見てこんな気持ちになるなんて、1ミリも想像していませんでした。

 

そして、お目当てだった里村明衣子選手です↓

 

威風堂々!レスラーとしては決して大柄ではない体格ですが、泣く子も黙る圧倒的なオーラと貫禄!さすが「女子プロレス界の横綱」の異名を持つ選手です。

15歳でプロレスに人生をささげる覚悟を決め、紆余曲折、選手兼経営者として仙台で女子プロレスリング団体を立ち上げた起業家でもあります。

私より5,6歳年下の方ですが、パワーと俊敏さは現役そのもの。とにかくかっこいい!!

 

プロレス歴30年の節目となる今年4月に選手としての引退を控えていますが、一切妥協のない硬派な戦いぶりです。試合には惜しくも負けてしまいましたが、その後のスピーチで今後も仙台でプロレス一筋の人生を送る決意を語ってくださり、初対面の私ですが目頭が熱く心が揺さぶられました。仙女や里村選手との出会いに感謝せずにはいられません。

 

雷に打たれたように里村さんにしびれてしまった友人と私。試合終了後、里村選手のサイン会の長い列にグッズタオルを握りしめて並んでいました。

やっと自分の番が来た時、里村選手に何か一言だけでもこの感動の気持ちを伝えたいと思い口を開いたのですが、涙が先にこぼれてきてしまい、小声で「感動しました」と言うのが精いっぱいでした。

タオルにサインを書き終えた里村さんは、私の両手を取って「ありがとうございます」と握手をしてくれました。

その声の優しさとソフトな手の感触にまたもや感涙…。自分の情緒不安定な感情の高ぶりに混乱しながら、ようやく会場を後にしました。

 

いやいや、たった一回の観戦でこんなにプロレスにのめりこむとは…正直油断していました。

確かに、プロレスにはすべてがあります。きっと直に見ないことには分からないかもしれません。

帰宅後、店主には楽しかったよーとは伝えましたが、まさかここまで私がハマってしまったとは思っていないかも。

 

あれ以来、YouTubeで仙女の過去の試合や選手の動画をみまくっている私。もう胸アツが止まらない!

確定申告もちゃんと終えて、仕事もちゃんとやっています。私にとってはアインベルクが選手にとってのリングと同じですから!

 

ということで、完全に仙女推しになっております。いつか仙女のみなさんにフライッシュケーゼやジャーマングリルステーキを差し入れできるくらい、アインベルクが仙台で知られる存在になったらなぁ…。

" Don't be a forever wannabe " のマインドでこの夢に向かって進んでいきたいと思います。

「推し」がいるってすごく力が出ますね。仙女の皆さん、女子プロレスの皆さん、勇気と希望と元気をありがとうございます!出会えて本当に良かった~!!