「新年明けましておめでとうございます」
というには、食卓に七草がゆが並ぶ日になってしまいました。
1月7日。仙台に向かう新幹線の中でブログを書いています。
年末営業を終えて灰になった店主と私は、仙台の店主の実家にお世話になり、上げ膳据え膳の寝正月を過ごさせていただきました。
その後店主は製造に戻り毎日工房へ。私は遠方に住む親の顔をやはり見ておこうかと一泊で出かけたその帰りです。親の顔を見に行くと言いつつ、自分の実家となればこれまた上げ膳据え膳の好待遇。認知機能や足腰などの衰えは隠せないものの、まだ元気でいてくれる両親に感謝。同世代の方々はそろそろ子育てが終わり親の介護の問題と向き合う頃ですが、まだ10歳の娘の子育てもあり、両親が近くで遠くで元気で暮らしていてくれることが本当にありがたいと思ったお正月休みです。
あらためまして、昨年中はたくさんのお客様の変わらぬご愛顧と新しいお客様方との出会いを得て、忙しくも幸せな一年となりました。心から感謝を申し上げます。
昨年は北陸の震災と空港事故という衝撃から始まり、どんな一年になるのだろう…と皆が不安に思った出だしでした。
今目の前にある仕事や生活を一生懸命やることしか自分たちにできることはないという気持ちで日々を過ごし、今日が無事終わったことを店主とお酒を酌み交わしながら労いあった夜は数えきれません。
おそらく店主は開店以来最も作り続けた1年だったと思います。
夏と冬のギフトシーズンやGWを除けば、ちょっと手を休められる期間がいつもならあったのですが、通年を通じてギフトなどのまとまった需要があり、腱鞘炎に効くエミュークリームを毎晩塗りながら全力投球してくれました。
嬉しい気持ちの半面、悩みも深まるようです。
例えば、特定の商品(あの四角いオーブン焼きソーセージのことです)に需要が集中する現状にどう対応するか…。
「売れるものだけをどんどん作ればいいじゃん!」という単純な話にはならないようです。
原材料の仕入れ、専門店としてのラインナップ、作り手が一人だという現実、自分の店を開いた理由…
たいてい晩酌をしているといつもこの辺りの話になるわけですが、店主も私たちも納得し、お客様にも飽きずに喜んでいただけるような商品提供をいかに実現していくか… 今年も容易ではない課題に真摯に向き合って、前向きな変化を起こしていきたいと思っています。
そして毎年思うことですが、アインベルクは本当に心優しいお客様方のご理解とご協力のおかげで無事に年を越すことができていると実感します。
ハムソー屋年一番の繁忙期12月。お歳暮やクリスマス、年末年始の集いに美味しいソーセージやシャルキュトリーを… とアインベルクを選んでくださり、本当に光栄にありがたく思います。
とはいえ数量には限りがあるため、ギフトセットはお任せのみで12月中旬には締め切ります、という私たちからのお願いに、快く応じていただくお客様が大変多く助けられました。
毎年アインベルクを使ってくださる常連のお客様からは「この時期になりましたね~ 頑張ってくださいね~」と激励と労いの言葉をかけてくださる方も多く、中には「ご迷惑でなければ買わせていただきたいのですが…」平身低頭のお客様もいらっしゃり、私たちの方が恐縮至極でした。
また、この12月は過去最多のギフトセットをお作りしたのですが、私のミスでお客様にご迷惑をおかけしたことがありました。忙しいからと決して言い訳できることではなく頭を下げることしかできませんでしたが、お客様には大変温かいフォローアップをいただきました。その際に、「これからも楽しみにしています」という内容のお手紙までいただいて、思わずスタッフの前で涙を流してしまいました。今でも思い出すと視界がぼやけてしまいます…。
人間だから完璧になんてできないよ!と自分に声をかけることもできますが、昨年末は経験値を超える繫忙に小さなミスがちらほら… 。大事には至らずにすぐに解消できたことがほとんどでしたが、これを今年も繰り返さないことが私個人のテーマです。
ちなみに、、、前職サラリーマン時代に製造現場で掲げられていた言葉の一つ:
" Right First Time / 最初から正しく実行 "
Rework(やり直し)は生産効率を下げる大きな要因なので "Right First Time" を実現するにはどうしたらよいかを常に現場の方々は考えていました。
今は私もその立場。今年は "Right First Time" が目標の一つです。
そんな私を助けてくださったのはお客様だけではなく、スタッフの皆さん(といっても3名のみの精鋭女性陣です)にも最大限のご協力をいただきました。毎年のことですが、年末の何かと忙しい時にプライべートの時間を削ってシフトに入っていただき頭が下がる一ヶ月でした。
この3名のうち、お一人が昨年末で卒業しました。
笑顔がとっても素敵な方で、まだランチ営業をしていた頃にお客様として初めて来店してくださり、明るく清々しいオーラが印象的でした。
その後すぐに、お子さんたちが娘と同じ保育園に通っていることを知り、そのよしみにかこつけて「うちで働きませんか?」とお声がけしたのがこの女性でした。
それから5年超、子育てとの両立は決して楽なことではなかったと思いますが、いつも笑顔で明るくよく機転の利く柔軟な姿勢で仕事に当たってくださいました。
きっとお客様の中にも、彼女の接客に心癒された方もいらっしゃったと思います。
ご家族のライフステージの変化に伴い、いつかはアインベルクを離れる日が来るとは思っていました。まだ働いてくださっている他のベテランスタッフの方々も然りです。
小さな店ですが、店主と私二人だけではオペレーションが回りません。どなたかの手を借りずには日々の営業ができないくらいに忙しくさせていただいています。
でも正直なところ、私たちの思いと信じる価値観に共感してくださる方に出会うまではスタッフの補充を見送ろうと思っています。今年、そんな方と出会えたらいいな…。
頭に浮かぶままに昨年の反省と今年の抱負(になっている⁉ )を書いてしまいました。
うまくまとまっていませんが、2025年もこだわりをもって、アインベルクらしく、皆さまに喜んでいただける商品をご提供していく気持ちはすでに満タンチャージされています!
今年の営業は1月10日(金) からです。
皆さまとまた店頭でお会いできることを楽しみにしております。
というところで、そろそろ仙台到着です。
久しぶりの新幹線、ちょっとワクワクしてしまったな~😚
今度は家族旅行で乗れるように、お仕事頑張ろう!