血が足りていなかった…
と書いてから早一ヶ月以上が経ってしまいました。
この間はハムソー屋の夏の書き入れ時、私がちょっと体調を崩したりしながらも、皆さまのご協力と応援のおかげを持ちまして、大きな事故なく繁忙期を終えることができました。いつもながら、感謝の一言に尽きます。本当にありがとうございます。
アインベルクでお買い物をしてくださる上に、ブログを読んだと私の体調に気遣いの言葉をかけてくださるお客さまはお一人二人ではなく、こんな公私混同の独り言に付き合ってくださる心優しい皆さまにたくさん癒していただきました…感謝々々です…😢
そろそろブログを更新しないと… と思いながら、22時を過ぎると睡魔に負けてしまっていた自分。
昨日お買い物に来てくださった男性のお客様が、「妻がブログを楽しみに読んでいるんですよ…。あ、今はちょっと体調を崩していて私が買いものに来ているんですけどね。」
なんて言ってくださるものですから、もう何としても書かないと！と奮い立ちました。ありがたいです。
ということで、今日はこの夏のハイライトを備忘録を兼ねて記録しようと思います。（これを読みたい方がいるのかな…）
まだカレンダー上は８月ですし、厳しい残暑が９月、もしかしたら10月まで続いてしまうかもしれませんが、お中元シーズン＆お盆期間終了ということでアインベルク夏の総括。長くなりそうなので前後編に分けようかな。
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１．繁忙期突入前に、一旦リセット！
今年は年初からなんだか忙しい日々が続いていました。
「ありがたいな～ 嬉しいな～」と私の上機嫌に反比例するかのように、売る物を作りださなければならない店主の目つきは厳しくなっていたような…。
「もうすぐ〇〇がなくなります」「××日までに△△作れますか？」なんていうプレッシャーが好物なのか、はたまたプロの意地なのか、今年は今までで一番ショーケースのラインナップが充実していたと思います。
これまで繁忙期には人気商品（フライッシュケーゼなど）の製造が追いつかないことが度々ありましたが、この夏はお客さまから「あら、思ったより商品あるのね～」なんて素直な感想をお聞きすることしばしば。
作り手一人は変わらないアインベルク。休日返上で働いているだけではなく、店主自身が進化を続けているようです。プロってすごいな。
そんなこんなでお中元シーズンが近づいてきた６月下旬の週末。これからさらに忙しくなる前にちょっと気分転換しとこうよ！ということで、一泊二日家族三人ローカル線の旅に出ました。「仙山線で行く山形路」です。
山形は自家用車でも十分日帰りできる距離ですがそこはあえて電車で。仙台から山形までは各駅停車で1時間30分ほど。山越えをする単線列車からの緑豊かな景色が旅情感を誘います。近場ですが十分旅気分。いつも工房にこもっている店主には、車窓の景色が何よりの癒しになったみたい。
山形に着いた後は市内を散策して、レンタカーで蔵王温泉まで一風呂浴びに。駅前をぐるぐる歩いて夕食のお店を探すのもまた一興。ビジネスホテルの部屋のテレビを三人で見ながらめいめいにお菓子を食べたりビールを飲んだり。
翌日はまた仙山線に乗り『山寺』へ。猛暑の夏を予感させるような蒸し暑さの中、急峻な山道を無心で登って。「山登りなんかやだー！」って言っていた娘の爽やかな汗かき笑顔が、この旅で一番嬉しかったことかもしれません。
お肉にまったく触らない2日間で店主はリラックスできたようです。仕事から完全に離れるというメリハリって大切ですね。特に今は子どもが親と過ごす時間を求めているのが分かるので、繁忙期を前に家族だけの時間をちゃんと持てたことが、親にとっても子どもにとっても、「これから忙しくなるけどみんなで頑張るぞー！エイエイオー！」と気持ちを合わせられる契機になったように思います。
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２．お中元ギフトの今年の傾向
すっかり山形話が長引いてしまいました😓
夏の目玉、お中元です。作り手一人の小さなハム屋ですので、ご用意できるギフトの数には限界があるのですが、いつもご愛顧くださるお客さまに向けて、ここ数年は『早期ご予約2割増しキャンペーン』を実施しております。
ギフト金額の２割分を増量でお詰めするというとてもお得な内容ですが、その「内容」は完全に店主お任せとさせていただいております。
もちろん専門店として、クオリティやバリエーションには十分心を配り、アインベルクの夏のギフトを楽しみにしてくださっている方々が喜んでくださる顔を想像しながらギフトを組んでいます。
「アインベルクさんのなら何でも美味しいからお任せしますよ」
と毎年ご利用いただくお客さま
「あら、こんなお得なキャンペーンあるのね！」
と初めてご利用いただくお客さま
街中のデパートに行けば多種多様な品物の中から選ぶことができるところを、わざわざ当店まで足を運んでくださるお客さま方、そのご期待に私たちの気持ちも引き締まります。
このキャンペーンを含め、例年お中元ギフトのご予算は3,000円台が中心でしたが、今年は4,000～5,000円台のご注文が多かったのが印象的でした。価格帯が上がった理由を店主やスタッフとあれこれ話しましたが、特段の結論はでませんでした。皆さまの場合はいかがでしたでしょうか？
世の中景気が良くなってきて消費者がお金を使うモードになっている…というよりかはむしろ、昨今の物価高にある意味慣れてきたことで、今までと同じ予算では同程度の内容を購入することはできないと考えた方が多かったのかな、と推測しています。
確かにアインベルクも春に一部商品の値上げをしているので、予算高めでご来店くださった方が多かったのかもしれません。
お中元やお歳暮といった贈り物の習慣はだんだん薄れているようです。時代と社会の変化には抗えません。ハムソー屋にとってはこの書き入れ時が縮小してしまうのはなんとも口惜しいことです。
でもだからこそ、毎日の食卓で楽しんでいただけるものを、美味しいものを贈りたい…という皆さまにいつの時期でも選んでいただけるように…。日々誠実に皆さまをお迎えしたいとあらためて思ったお中元シーズンでした。
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３．「ハム屋の塩チャーシュー」レギュラー化！
このブログは私の独断と偏見で書かれておりまして、“レギュラー化！”などと勝手に言っていたら店主に怒られそうですが、それくらいこのアイテムが新たな人気者になった夏でした。
もう皆さまお試しいただけましたか？
「ハム屋の塩チャーシュー」
これまでは「骨なしアイスバイン」を月2回程度、土曜午後に出来立てでお出ししておりましたが、（参考ブログ：アイスヴァインじゃなくてアイスバインでした）
バラ肉を柔らか～く茹で上げて作る塩チャーシューを初めてお出ししたのが、GW後半の頃でした。
市販のチャーシューは醤油味ですが、ハム専門店が作るチャーシューはシンプルな塩味で、バラ肉特有の脂身は決してくどくはなく、その旨味やとろけるような食感を楽しんでもらえるように仕上げています。
アイスバインを目当てに来店されたお客さまが「こんな商品あったっけ？」と早速飛びついてくださり、試し買いしてくださる方がちらほら…
ショーケース上にドーンと鎮座しているその姿に衝動買いしてくださる方も。
ドキドキのお客さまからのフィードバックが想像以上に好評だったので、アイスバインに合わせて2回、3回と作るうちに、「次回はいつ作るのですか？」と問い合わせをいただく注目アイテムになりました。
定番人気のフライッシュケーゼを買いに来られたお客さまが、「今日はせっかくだから塩チャーシューにします」と翻意する姿に、不動の人気アイテムも危機感を覚えたかもしれません😅
店主の引き出しがどれくらいあるのかは分かりませんが、アイコニックな商品を生み出すことはそう容易いことではなく、構想としてはずっと頭の中にあったようです。
ちょうどGWの特別アイテムとして塩チャーシューを作ってみたところ、思いのほか反響をいただき、何度かお出しするうちに仕込む量が増えて、熱々の大きな寸胴と向き合う時間が増えた店主。
真夏の厨房はえらく暑い。出来立てほやほやの塩チャーシューやアイスバインをお皿に乗せて厨房から出てきた店主の頬が少しこけているように見えて、私はつい『鶴の恩返し』を思い出してしまいました… とさ☺