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アインベルクに『春』がきました

毎週木曜日、ハムやソーセージの原料となる豚肉や鶏肉が届きます。

主な原料肉は「オイタミート」さんから仕入れています。

 

(株)オイタミートさんは東松島市で食肉製造卸売業を50年以上にわたって営む地元を代表する企業です。

 

店主とオイタミートさんの出会いは15年ほど前に遡ります。

 

まだ店主が修行先で働いていた頃、食品衛生管理者の資格講習会が東京で実施されました。1か月超の期間、参加者が全国から集まり研修を受けるそうですが、そこでオイタミートさんから来られた方と知り合いになったそうです。

 

いつか自分の店を開くなら仙台で… という思いがおそらく当時からあった店主は、この時の出会いをずっと大切にしていたのだと思います。

 

2017年3月初め、自分たちの店を開く決意を固めて、6年ほどを過ごした静岡から仙台に戻ってきました。

開店にあたってさまざまな準備を始める中、原材料肉の仕入れについてオイタミートさんに真っ先に相談をしました。まずはご挨拶に…と東松島の本社工場に初めて伺った時、工場団地の桜並木が淡いピンクに咲き誇っていたのを思い出しました。とすると、3月末か4月初め頃だったのかな。

 

それ以来オイタミートさんにはずっとお世話になり、今日に至っています。

 

東北産の豚肉へのこだわりと高い精肉技術に定評があるオイタミートさんからは、「アインベルクのためだけにすごくよいお肉を取っていてくださるのではないか?!」と思うくらい新鮮でおいしい原料肉が届けられます。

アインベルクのハムやソーセージがシンプルに美味しいのは、原料肉の品質の良さに拠るところが大きいと思います。

 

1時間半ほどかかる道のりですが、アインベルク開店以来、会長(当時は社長)自ら保冷車を運転して週に一度お肉を届けてくださっています。

 

納品が済むと、会長と店主は椅子に腰を下ろし、コーヒー片手にしばし雑談…… をしているように私からは見えるのですが、店主にとっては貴重なお話を聞く機会です。業界のトレンドや精肉処理の専門的な話から、「若かった頃はね~」という会長の思い出話や、今どきのゴシップ話まで。

 

とにかくオイタ会長のユーモアとやさしさに溢れるお話には、私やスタッフもつい聞き耳を立ててしまうのです。

 

「会長、今日はひどい雨の中、納品ありがとうございます」

「いやいや、今日は奥さんたちみたいな天気だね… ビジョビジョですよ」

 

「会長、来週ですが、鶏肉もお願いできますか?」

「はい、チキンと持ってきます」

 

「会長、今日は風が強いですね~ 運転大変だったでしょう?」

「いや~、世間の風当たりの方がもっと強いからね~」

 

と、オイタ語録を作りたくなるほど、週に一度の会長の来訪をスタッフ一同楽しみにしているのです。

 

翌日が二十四節気の「大寒」となった先週木曜日、会長が『春』を背負って納品に来てくださいました。

 

山形県が日本一の出荷量を誇る「啓翁桜」というそうで、お正月の頃に花を咲かせるように栽培されている珍しい桜です。

新年の縁起に…とわざわざ貴重な桜の木を持ってきてくださった会長のお心遣い、本当にありがたく温かい気持ちになりました。

 

会長の帰り際、あらためて桜のお礼をお伝えすると、桜の枝を指さしながら、

 

会長:「あれですね、キャンディーズですね」

私:「ん、キャンディーズとは……」

会長:「もうすぐ春ですね ♪」

私:「あ、あぁ……(反省)」

 

会長の渾身のフリに返せなかった自分にがっかり…😓

「ちょっと気取ってみようかな♡」 って即座に出せたらなぁ… なかなか、私にはハードルが高い。

 

会長、また来週もお待ちしています!

そして今年もどうぞよろしくお願いいたします!!