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2023年、始動です!

 

あらためまして、新年明けましておめでとうございます。

本年もアインベルクをどうぞよろしくお願いいたします!

 

昨年末の熱狂(と私たちは感じておりました…)から約1週間、今週5日から新年の営業を再開しております。

 

毎年のことですが、「出せるものはすべてお出しします!」スタイルで年末の営業を終えるので、ショーケースはほぼ空っぽに…。私たちは感謝と安堵の気持ちで燃え尽きてしまうのです。

本当にありがたい1年の締めくくりです。

 

年末年始は店主の実家でゆっくり過ごさせていただきました。

目覚ましをかける必要もなく、翌日のことを考える必要もない…って素敵です。

この幸せを実感できるのは、仕事があって、働く意義を感じられて、忙しくさせていただいているからだなぁとも思います。ありがとうございます。

 

娘と二人、映画鑑賞のガールズデートもしました。

家族三人、雪深い温泉地へのご褒美一泊旅行にも行きました。

 

さぁーいよいよ、明日から営業再開だ!がんばるぞー!!という気合十分の私の横で、店主はなんだか浮かないような、ちょっと疲れたような顔…。

 

ゆっくり休んでいたのは私だけだったようで、店主は確かにこのお休みの間にちょこちょこ工房に行っては何か作業をしていました。

年始の仕入れがない中で、ガラガラになったショーケースに何か売るものを並べないと… と必死に考えてくれていたのだと思います。

 

なんとか原材料の工面をしながら、営業開始早々に作ったのが「チューリンガー」と「ヴァイスヴルスト」。

 

そして、昨年はクリスマス頃に完売してしまったチキン系アイテムを作りました。


 

店主一人だけですべての工程をこなし、製品化するのは時間がかかります。

仕込みだけで一日が終わったり、完成品を作れたとしても1日に2~3アイテムが限度のようです。

 

孤独に大きな豚肉の塊と向き合う店主の背中を見て、「私が手伝えればいいのにね…」と声をかけました。

 

振り向きざまに、「やめてくれ」って言われました😓 「本当にやりたいって思ってやらないとできないよ、これは」と。

 

確かに、開店当初は店頭に立つことでさえなんだかやらされ仕事でした。

それから5年以上が経ち、お客さまをお迎えする仕事には喜びややりがいを感じるようになりましたが、やはり作るとなるとそれは職人の世界。家のキッチンに立つような気軽さでやってみようなんて失礼な話です。

 

「すみませんでした」と頭を下げて、自分の持ち場に戻ったのが昨日のことでした。

 

常時40種類ほどが並ぶ、とうたっているショーケースの中がその“常時” に戻るのに1か月ほどかかりそうです。何かができれば、何かがなくなる… といういたちごっこです。

 

昨年は「繁忙期が終わったのに、全然休めない!」と弱音を吐いた店主ですが、今年はちょっと様子が違います。

営業再開前は、なんだか疲れた顔をしていた店主ですが、昨日あたりからやる気スイッチが入ったようです。

 

なんでも、修行先のマダムから連絡があり、お師匠さんが年始から猛烈な勢いで製造をしていると聞いたようです。

 

茨城にある名店「ハンス・ホールベック」のことは、昨年8月に書かせていただきました。

最後の職人さんが卒業されて、その後は「週末ハンス」と銘打つ不定期営業で、昔ながらの顧客の方々を中心に販売を続けていらっしゃいます。

70代半ばのマイスター自ら肉をさばき、カッターを回し、腸詰をひねり、スモークハウスを動かしていると知れば、まだ40代の店主が負けるわけにはいきません。

 

…というのは私の想像ですが、きっと店主の職人魂にようやくモチベーションの火がついたみたい。

 

今日も私と娘が自転車デートをしている間も、工房で牛肉の塊と向き合っていました。

明日も定休日ですが、腸詰をたくさん作る予定です。

 

昨日までの3日間にご来店のお客さまには、ちょっとショーケースが寂しいな… と思われたことと思いますが、少しずつラインナップが増えていきますので、またいらしていただけたら嬉しいなと思います。

昨日土曜には「田舎風パテはないんですね…」 と何人のお客さまに言われたか、数えておけばよかったと思いますが、はい、パテも来週中にはショーケースに並ぶ予定です。

 

今年も「シンプルに美味い」ものを、皆さまにお届けしていきたいと思います。

店主のがんばりを、どうぞ温かく見守っていてくださいね。